• テキストサイズ

鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃/猗窩座・狛治】

第16章 因縁の終焉





違う。あれはもうすでに”癒やされた傷”。
さらに深く傷を____
彼女の肌に触れないで…。!_________


息が出来ないほどの怒りの衝動で手が震える。

もうこれ以上傷つけないで.......!!

ごめんなさい…
桜華さん。

もう、わたし、我慢できないです…!!


目の前では、その準備にと床が引かれている。
それを神聖なものとして見せるというのか…


今から行われようとする『更なる浄化』というものが何かと分かった刹那、カナエの中で潜入調査という使命も、冷静でいなければならないという義務も、すべてが吹き飛んだ。


桜華を助けなければならないという強い想いに強く突き動かされる


「…もう、これ以上は…」



気が付けば
その天井を突き破って童磨と桜華の間に飛び出した。



「もう、それ以上はさせません…」



静かに激しく燃える怒りは、それまでのカナエには似ても似つかないほどに凍り付いた表情と声だった。



突然の乱入者に、童磨の表情は一瞬で変わる。

「おや...君は...」

カナエは、日輪刀を構え、童磨に容赦なく斬りかかる。

「花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬」

童磨の懐をめがけて技を繰り出した。
しかし、童磨は、その攻撃をひらりと躱す。

「ああ、君は本当に面白いね!
今までよく潜んでいたと思うよ…やっと本当の姿を見せてくれるなんて嬉しいなぁ…」

カナエは何も話すことなく、ただ、童磨へと静かな殺意を向け、次の攻撃の構えをした。

「鬼狩りの姿をしたカナエちゃんも美しいねぇ…。
そして、そんな風に怒る女性は久しぶりだ.......。
ねえ、なぜ俺に怒りを向けるんだい?」


屈託のない笑顔。
既にしってるであろうことをわざと聞き
意図してかしないでか、カナエの心情をも弄ぶ。


「君たちは、下がっていていいよ.......」
「しかし教祖様!!」

「心配いらないからね。すぐ終わるし、俺は死なないから…」
「しかし…!!」
「教祖様はどうなさるおつもりで…!!」

「いいよ。
俺は…”裏切り者”を対峙しなければならないからね…」

そこに腰を抜かしたまま留まる信者に下がるよう命じると、一目散にその場から離れていった。


/ 495ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp