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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃/猗窩座・狛治】

第14章 命と古傷




狛治を見送った後、

日が暮れて夜も更けていく頃、俺は古い小屋に隠4人と、刺客2人を囲んでいた。

緊張感の沈黙で数時間威圧し続ける。
だが一向に空気は張りつめたまま。
相手がたじろく気配もない。

ここまでは想定済み。
少しずつ尋問するのみだ。

「てめぇらに聞きたいことはたんとある。
だが、こっちでも確かではない予測だが
2つだけ解ってることがあんだよ」

沈黙を続けて、男は下を見ている。
話す様子すら感じず、恐れている気配もない。

「お前らか、お前らの頭がどっかの教壇の教祖の手下で、
俺のダチらを生け捕りに差し出すと…」

刺客の男らが僅かに肩が震えて、息を吸ったのが分かった。
正解だろう。
それがほぼほぼ正解である事と理解する。

「ご丁寧にかくれて貰わねぇで結構。
ただ、”今は”アイツらに触れさせはしねぇ。
むしろ、連れて行ってくれた方がこっちも頭を潰せるってところだ。
アイツは逃げも隠れもしねぇ。
テメェらの頭がゴミムシ以下になるほど俺らの方が強い」

一人が俺を見上げる。

「教祖様はお前たちに負けたりしない。神が生贄が必要だと........「ばか!言うな!!」はっ!!!」

「っへぇ…。テメェらが存外間抜けでペラペラしゃべってくれて好都合だぜ」

要するに、今のところの情報をまとめれば、9割狛治の予想通りだということだ。

「その『教祖』ってやつの名は?
解りやすい特徴を言え。
あと、何人この件でここらを張ってる」
「これ以上喋らねぇ…」
「お前らが、喋れば”一人”は連れて行けよ。
手柄が必要だろう?」

勝算があって姫さんが囮になると言ったことだ。
よく話し合ったが、一番弱いと思われている自分が行けば油断を見せ、狛治を誘き寄せ、来るまで待つだろうとのこと。

狛治の”暁”が、姫さんの健康状態を知らせてくれたら最終的な判断が出来るんだが…。

表情を出さず淡々と取引をする。

もし、姫さんに何かあれば…
いや…俺は姫さんと狛治の決断に従うだけだ。
この輩の頭が、狛治の言う上弦の鬼であれば、今そいつを叩くべき好機なのだ。

それを逃せば、狛治や姫さんの位置が知れたまま、絶えず逃げ回らなければならない。

それは今の鬼殺隊にとって地味に足枷になる。
俺の感情からしても地味に陰気臭くてやってらんねぇ…。
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