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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第11章 新しい芽



間もなくして、廊下からは賑やかな声が聞こえてくる。
桜華としては、柱候補隊士とは初対面となる。
当主として振舞いつつ、同じ年頃であるはずの彼らと席を同じくするからには信頼関係も築き上げたい。

何よりも、これから共に戦っていくであろう隊士たちと顔を合わせることは、不安もあるものの、この上なく楽しみなのであった。

出迎えるべく、上座に移った。数人の気配が近くなり、話し声も聞こえてきた。
障子が開くと、二人の青年が入ってきた。

「アンタが、師匠の奥方かァ?」
「こら、実弥。言葉遣い。」

銀髪の男が鋭い目つきでこちらを見やる。強面な顔立ちから殺気を強くはなって近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。その横でそれを笑顔で窘める男と共にカナエも妹であるしのぶを連れてきていた。

「お初にお目にかかります。日神楽桜華と申します。狛治や天元さんよりお話を伺っております。
銀髪の方が不死川実弥様。横にいらっしゃるのが桑野匡近様でございますね。ようこそおいでなさいました。」
「はい。師匠にはいつも、コイツと一緒に厳しくしごいてもらってます。」

匡近のほうが兄弟子らしく、実弥のことも可愛がっているようで、わざとらしく後頭部から押さえて自分が頭を下げるのに合わせて実弥に頭を下げさせた。
続いて部屋に来たのが、カナエとしのぶ姉妹で、しのぶは初対面である。柱候補に入っていないが、カナエと同じく薬学の知識があるので桜華の体質の研究にカナエに同行するとのことだった。

「桜華さん。このこは妹のしのぶです。わたしよりも研究の方に才があるので今日は来ていただきました。仲良くして上げてくださいね。」

穏やかに微笑んで紹介されたしのぶは、その真逆で眉がつり上がっている。

「胡蝶しのぶです。姉と共に、屋敷で隊員の救護をしています。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、カナエさんにはいつもお世話になっています。」

「姫さんがなかなか動けないと思ってな。今日非番で鍛錬に来ていた奴を集めてきたってわけよ。冨岡も誘ったんだが、なかなか厳しくてな。」
「わたしが身動きが取れるようになりましたら、こちらから向かいましょう。天元さん、お心遣い有難うございます。」
「造作ねぇことだ。」

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