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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第11章 新しい芽



 「今日は天元が客人を連れてくる。少々...、じゃないが、賑やかになるが構わんか?」
 「えぇ。先日柱候補として集められた方、わたしも覚えておかねばならないですし。」

 そう答えると、狛治は僅かに明るくなる。前に天元さんに助言されたのだが、修練所に隊士を集める時は、できるだけ狛治が鬼であったことを伏せておくことにしている。
 秘密にしていてもいつか、鬼と出くわせばバレてしまうことでもあった。しかし、日の呼吸の使い手の存在を鬼側に伏せておく必要があるため当分の間は鬼を狩りに行くことがないため、当分は信頼関係を築いていく方が優先されたのだ。

 その事情と絶対的な力の差、大昔の話であるが道場主になる鍛錬も積んでいたこともあり、教える方の才もあって隊士からの信頼が厚かった。

 表情が明るくなるのも、充実した顔で帰ってくるのもそういったことが楽しいのだろうとおもうと、堪らなく嬉しい。

 「支度などは明子さんたちがしてくれるから、桜華は出迎えてくれるだけでいい。」
 「有難うございます。」

 今では当主代理ということで狛治が全てをしてくれているが、全てを桜華に相談してくれるため、大抵の事は把握している。

 総計20名にも及ぶ候補者を天元さんと3人で選んだり、鍛錬の内容を考えたり、わたしに何かあれば、天元さんが代わりに狛治の役割を果たして報告までしてくれる。

 「狛治ぃ~!!姫さん、いるか~?」

 陽気な声と、数人の客人の気配を表に感じた。

 「迎えに行ってくる。」
 「はい。」

 嬉しそうに立ち上がり、駆けていく後ろ姿に思わず笑みがこぼれたのだった。


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