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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第10章 天照手記ー魂の記憶ー



翌日、定期的な情報共有で炎柱と水柱と酒場で集まる。
勿論、桜華の稀血の効果を聞くためである。

その場で、二人とも昨日と同じような事を申した。

「この間倒した鬼が言っていたのだ。稀血に誘われてきたのに、被害者の血を口に含んだら、毒のように焼けると。そして、胸が暖かく苦しくなると言う。」

「拙者もそうだった。あの時の血が欲しい。この稀血ではない。」

そう言っていた。

「縁壱殿。ここは我々が鬼を退治する故、御息女を警護したほうが良い。今まで、数十体は鬼に血を与えてきた。半数は様子見で逃がしている。

桜華殿はお強いが、死ぬまでは鬼との接触があってはならぬのだろう。」

誠寿郎のその申し出により、杏寿郎とも話し合い、その晩からひと時も離れないよう桜華の屋敷に泊まるようになった。

それからひと月の間に屋敷に入り込もうとする鬼の影を数体斬ったが、桜華の血が、「あんなに暖かい血は初めてだった。」という趣旨の言葉を残す。

数か月後、こちらの検証結果を知らせに珠世のところへ赴く。
話しを聞いた瞬間、「やはり...。」と呟き、暫く何か試案をするように黙り込んでしまった。

「これは仮定でございますが、そうである可能性が高いと思います。お話してもよろしいですか?」

そう切り出してきた時の様子が、少し深刻なもののような気がしたが、桜華のためと鬼を狩るための事であればと了承する。

「桜華さんの血が、彼女の近くにいる鬼を鬼舞辻からの支配から一時的に離す力があるのではと思います。

そして、他の方の血を喰らう事が桜華さんの血からの制裁だと考えると、”鬼を人間にする血””人間の心を呼び戻す血”そう言ってもいいものかと思います。」

「要するに、桜華を前に他の血は喰らわぬと...。」
「はい。」
「桜華の血は、無惨の間接的な視界に入らぬかもしれないということか。」
「恐らくではございますが...。」

特殊すぎる桜華の血の特性に、無惨を力でなくても倒せる方法があるのではないかという期待で脈打つのが速くなるのを感じた。


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