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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃/猗窩座・狛治】

第8章 魂の雪蛍



二つの鉄パイプで狛治の攻撃を受け流そうとするも上手く力を逃がせず、左手に握っていたものがカランと落ちた。

仰け反った態勢で、落ちたそれを素早くつかんで

両手を開いた状態から交差させるように技を繰り成す。

「結の呼吸 弐ノ型 天照・月詠の戯れ(アマテラス・ツクヨミ ノ タワムレ)」

「日神楽式 破壊殺・脚式『飛遊星千輪(ヒュウセイセンリン)』」

それに応えるように至近距離からの蹴り上げで桜華の攻撃を飛ばした。


両者飛退いて距離を取る。


(この力を扱うにはまだまだ体力が必要だ.....。力が大きすぎて体が振り回されているような感じだ....。)

狛治はゼイゼイと息を切らし、表情を歪ませながら雄治から授かった力の強大さに耐えていた。

それは、相手をしている桜華とて同じこと。

いつもよりも素早い身のこなしと的確な読み、コントロールされていない力の大きさに、避けるのがやっと。

攻撃が当たることがなく弾かれ、相殺されていく。

(わたしにも無駄な動きがまだまだあるっていうことね....。攻撃を避けることで精いっぱいというところでしょう。)

と、肩を上下させながら上がった息を整えた。


それからも、桜華が立ち上がれなくなるまで鍛錬は続く予定だったが、この日は珍しく狛治が先に動けなくなり、悟を呼んで二人で担いで屋敷へと戻った。


狛治はその日は高熱が出た時のように大量の汗とゼイゼイと荒い息づかいで、熱も高かった。

「狛治?大丈夫?」

「あぁ....。」

その返答も朧気で、魘されていた。


「桜華様、狛治さん、本当に大丈夫ですか?」

悟は心配そうに尋ねてくる。

悟は舞も呼吸も習ったり習っているところを見たことはないが、桜華は父から舞を教えてもらっているときに幼いながらも何度もこのような事態になったのを思い出して至極冷静だった。

「ただ、この炎天下です。一刻も早く水を飲んでいただかないと.....!」

存外力持ちだった悟は、その言葉を聞いて、全速力で走り、桜華もそれに続いて走りながら屋敷へ帰っていった。




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