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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛




「許せ。本人曰く無駄な力が多い分こうなってしまうらしい。俺はまだ疲労を感じられないからこうしているが、負荷は相当なものだ。

他の呼吸を鍛練したことがないから比べられんがな。」


桜華が寝息を立て始めたことを確認したのか、狛冶が話を切り出した。


「そうか。俺は構わん。寧ろ、あんなに激しく疲労も見せずに戦っていたのに、糸が切れたようにこうなってしまうまで戦えることに感服している。

見ている方は心配でもあるだろうがな。」


自分に向けられた背中が規則正しく安らかに動く様子に目を細めながら受け答える。



「あぁ。

俺が人間になる過程で、俺が動けない状態になった時自分が戦うのだと言っている。

俺がこうなったのを一番に好き好んで追ってきそうな鬼がいるからな。

それで早く強くならねばと焦っている部分もあるのだろう……。」


「その鬼は上弦か?」


「あぁ。俺より称号も力も強く、鬼の中でも特に性格が歪んで機転が利く男だ。

そして、俺が桜華を連れて逃げるよう助言した男は、日神楽家を襲ったそれより上の鬼だ。

なぜか、俺に桜華を託すような感じがしたんだ。

お前たちの様に呼吸を使う剣士の鬼だ。


鬼は基本なれ合わない。
今思えばそれも、群れて無惨に反逆するのを恐れた呪いなのだろう……。

どの鬼も無惨によって監視され、気分次第で殺される可能性も抱えて鬼は生きているというのに、今あいつはどうしているか……。」



「心配か?」



「少しな。無惨の性格からして、俺たちをとらえアイツに殺させるだろう。

あいつは2度、目の前にいる桜華を殺さなかった。

血に危機感を感じたとしても他に殺る方法も気がつく男であるにも関わらず………。

最後にあった時も、稀血である桜華を一人にするなとでも言いたげに急かされた。」



「そいつと桜華が重なることが……似ていると思う事がよくあるんだ。」



狛治は今まで疑問に思っていたことを初めて杏寿郎に対して打ち明けた。


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