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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛



杏寿郎はこの時、父にも剣を教えてもらうことが叶わず家にあった指南書のみの独学で一家相伝の炎の呼吸を習得しているところだった。

実際に剣を交える相手も自ら探して鍛練していることもあり、時間は自由に使えた。

そして、父よりも強い鬼が相手になると言ってくれていることに返答を迷うことはなかった。


桜華はいつもの狛治との鍛練の様子なら、杏寿郎に合わせて付き合ってくれると二人の手合わせに口を挟むことはしなかった。


「となればこちらに急遽厄介になることになるがそれでもいいだろうか?

俺はかなりの大食らいだと言われているが……」


先ほどまでの勇ましさはどこへやら。杏寿郎は少し申し訳なさそうな気恥ずかしいような様子で眉尻を下げていった。


「因みに………どれくらい………?」


隊士の大食い事情も把握している桜華は恐る恐る聞いた。


「軽く10人前は食す。朝と昼は何事もなければそこまでは食べないが………。昼飯は持参したのでお構い無く。

本当はこちらに目撃されたものが見当たらなければ他を当たるつもりだったのだ」


「……………10人。承知しました。」


想定の範囲以内ではあったもののやはりその中でも最上位の量だ。

なるべく取り乱さず大丈夫であるように言うが、思わず一瞬驚愕の顔にひきつったのは内緒である。

狛治はその様子に肩を振るわせて笑い、

杏寿郎は二人の和やかな感じに笑みをこぼした。



それ以降、話し合った結果、杏寿郎は桜華たちが借りてる離の一室に一晩泊まることになり明日の昼前に、ここを発つ手筈となった。



時刻は11時。巧一と朱音に杏寿郎との手合わせの件を話し、明子に急遽夜の食費を渡して買い物に走ってもらった。


桜華も昼から家事の手伝いに母屋に走った。



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