• テキストサイズ

鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛




「はい。私ども、先代と同様に代表に、それに狛治様に期待しております。

御精進くださいませ。」


「はい。」


刀の話が終わると二人は足早に離を出ていった。

この後、早速刀の事で家族会議を行うらしい。

事を急ぐのは御家の再構と、二人の体調を気遣い早く珠世という女性のところに行かせたいとの事らしい。



狛治が何かを思い付いたように桜華に尋ねてきた。


「鬼狩りは鬼の事をどれくらい知ってる?」


「日神楽側は珠世という女性と父が情報共有しておりましたので、鬼の一体一体の情報とその動向以外は把握していたように思います。

そして産屋敷側はそういった鬼とのかかわり合いが少ないので日神楽で得た情報を渡しているようでした。」


「そうか。わかった。俺も、俺が知り得ることを産屋敷の方に渡せる準備をしておく事にする。

いつ柱に遭遇してもいいようにな。」


そう言い残して狛治も書斎へ足を向けた。


「何をなさるのです?」


いいことを思い付いたとでも言うような表情で部屋を去ろうとした背中に声をかけると


「俺にしか解らんことが山ほどあるということだ。中枢にいた上に長らく鬼をやってきたからな。

完成すれば教える。俺に対する信頼はそのまま桜華への信頼にも繋がるはずだから。」


といって、優しい笑顔を向けた後静かに部屋を去っていった。


(なんなのでしょう?確かに狛治でしか知り得ない情報は山のようにあるはず。

これは楽しみにしておかなければなりません。)


(それだけではなりませんね。わたしも技を身に付けて力をつけていかねば、当主として頼りがいがなければお話にもなりません。)


桜華も、部屋へこもり指南書と普段用の扇子で型の確認が速く舞う練習を行った。



夜は大雨でない限りは外に出て鍛練、昼は家事の手伝いや書物を呼んだり、型の確認を行うなど寝る時間以外を鍛練と心得て過ごしていった。



外での鍛練の時一羽の烏が静かに上空を旋回していたとは夜がゆえに知るよしもなかった。



/ 430ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp