第7章 残されていた愛 繋がる愛
その頃、細手塚家では一家の職人全員で狛治の刀剣の形状などどういったものにするか話し合われていた。
通常の武術ならば素手で戦う日本の武術では相手を傷つけず打撃だけの守る事が目的になっている。
しかし、相手は日輪刀でしか滅することができない鬼だからこそ、必要不可欠なもの。
今まで武器など持ち合わせたことがないうえに、鬼の再生力が故の捨て身の癖が人間に戻るまでにどれだけ改善されるかも考慮しなければならない。
図面を何度も描いてはああでもないこうでもないという議論が飛び交い、最終的には防具も必要になってくるという話まで上がり白熱していた。
議論や設計である程度まとまったのは
双刀であること
素手の武術にすぐに馴染間なければならないこと
そのために鎌や手に装着する形状のものであること
桜華の刀扇に刻んだ同様の模様を彫ること
である。
何より日神楽家再構の分岐点であり、日神楽家の悲願を成就させる当主と期待される桜華の夫になる人に託すもの。
だからこそ全員が今までで一番の使命感を持ち気合いが入っていた。
そうこうして話がまとまり、主軸となる刀が3つの案に絞れたのは3日後のこと。
そこから木で模型を作成し狛治に試し持ちしてもらうまでに5日かかった。
長い柄のついた鎌
刃の向きが可動式の柄と刃が弧をかくような鎌
峰がない両刀の刃の鎌
そして、防御のために腕に装着する刀受けの刃だ。