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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛




ぶつかり合って制止した状態で、桜華は目の前の現状に青ざめた。


自分が突き立てた刀扇が深く猗窩座の胸に突き刺さりそこから大量の血が滴っていた。


途端に涙目になる桜華を猗窩座は敢えて猟奇的に煽る。


「俺は簡単に再生する。鬼、特に上弦はこの程度の再生なんぞ朝飯前だ。

これくらいで気をとられるようでは、相手に隙を作り餌になるだけだぞ。」



見ろ、と言って猗窩座が刀扇から身を引くとぐちゃっと音を立てて秒で完治した。



「気を張れ!鬼は震えが止まるのを待ってくれることはない!」


声を張り上げて怒声をあげる。

自分の命のために声を荒げてくれることが解っているからこそ


「申し訳ございません。次、お願いいたします!」


と声を張り上げ気持ちを入れ換えた。
そしてひゅっと息を吸い込む




結の呼吸の流れへ突入した。



右手の刀扇を太陽

左手の刀扇を月


それぞれの組み合わせで斬撃を作り上げていく刀扇だけが織り成せる技。


月と結、特に結は桜華にとって主軸になる舞だ。



桜華を取り巻く空気の温度が上がり強く明るい光となる。



鮮烈な火の粉を金環日食の円を描くように撒き散らしながら猗窩座の腕を狙った。



「ほぅ。恐らくこれが結の呼吸か。

これも殺気や闘気を感じない。これが至高の領域と言うものか。


流石は鬼狩りを支えた名家。

名ばかりではなかったと言うことか。

父親が痣者……桜華はその娘で現当主。

強くないわけがない」



猗窩座はそう呟いた。



「破壊殺・空式!!」

「おぉぉぉぉぉおおおお!!」



青い閃光を伴った拳の衝撃波が桜華を襲うも



月の刀扇を大きく太陽の刀扇を小さく自身の前で素早く弧を描くと


衝撃波の青い閃光が赤銅色の影にかき消される。


そして天の川のように火の粉の月の粒子を撒きながら大きく激しく舞うように斬りかかった。


猗窩座の両腕を切断。太股に大きな傷が入るも瞬く間に再生する。


しかし先程よりは再生の速度が落ちている。



火の粉は太陽。

太陽は鬼を滅する光と熱を持っているからだ。




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