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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛



残った巧一が、桜華の父が生前よく屋敷に訪れて話をしていたことと、事件が起こる2週間前に一人でここへ訪ねてきたことを話した。

「代表は、よく私たちに話を聞かせてくださいました。
彼は、特にお兄様雄一郎様と桜華様の事を気にかけられ、ご期待をされているようでした。

ですから、私どもは、雄一郎様と桜華様お二人が元服されるときにと一足早くに純度が極めて高い極上の原料で盾と矛を打ち神棚にお供えしていたのです。

それが出来た矢先、あのような事件が起きてしまい...。

しかし、桜華様はどこかで生きていらっしゃると思い、それは作業場の神棚に手入れをしながら保管しています。それを今朱音が取りに行っているところです。」



「そこで、私どもから桜華様を亡き代表の代わりに娘を託すような立場で提案させていただきたいのですが、

猗窩座様がこれからも桜華様をお支えしてくださるというのなら……

いや……もし、仰るように人間に戻ることが叶ったとき、日神楽家の名を背負うご覚悟があるのなら

是非とも同じ材料で猗窩座様の日輪刀を打たせていただきたいのです。」

まさかの巧一の申し出に桜華も猗窩座も驚いて巧一を見た。

「勿論そのつもりでいます。
しかし、非常にありがたいお話ですが、本当に俺のような鬼がもってよろしいのでしょうか?」

「勿論でございます。」

猗窩座は迷いもせず巧一に尋ね、巧一も即答した。

その様子と言葉に桜華は驚いた様子で猗窩座を見た。
鬼だからと引くわけでもなく迷うことなく自分の生家であり、鬼狩りの一角を担う家柄の名を背負う覚悟があると。

「猗窩座....」

「遅かれ早かれ、鬼を追えばアイツにたどり着く。それは同時に産屋敷にもたどり着き避けられなくなることにもなる。

その時、日神楽の名が必要になれば俺がしっかり支えるからあくまでも当主は桜華でいろ。

仮にそれがなかったにしろ、俺は黒死牟と決闘を条件に生かし逃がされ、桜華と共に生きると誓った以上、鬼舞辻も討つつもりでいる。アイツには俺の人生を大きく狂わされたからな.....。

それを本来の人の道に戻したのは間違いなく桜華だ。

その桜華が、日神楽の人間でなければ今の状況はないのだから。」
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