第3章 呪
「俺?俺は五条悟。悟でいいよ」
五条悟と名乗った少年はにっこりと笑っている。
「私は…」
今の私には生きている価値などあるのだろうか。
母と兄を亡くし、行くあてのない私はそもそも…
頭の中で考える
この少年を殴ってでも引き離すかこの少年に着いていくか
「いーから行くぞ、どうせお前1人だろ。」
考えている隙を見て私の腕を強く引っ張る
「…きゃっ」
強く引っ張られすぎて私は倒れ込みそうになる
「…っ、ごめん。強く引っ張りすぎたわ」
「…あの」
倒れ込みそうになった私を助けてくれていたようだが何故か抱き締められていた。
「俺がいる限りお前に怪我とかさせねーから」
「ありがとう……悟」
おにーちゃんのような安心感を感じて私はなんだか眠たくなってきた
私は目を閉じる
目を開けた時にあの出来事が夢でありますように
あわよくば、2人の元に行けますように、と
「…おやすみ、」
頭を撫でられる感覚を感じながら眠りの世界へと落ちていった