第3章 呪
その後のことは覚えていない。
ただ、変わっているのは頭の中でずっと声がする
(呪え呪え呪え、呪いたいノロイタイ、ノロウ呪え)
「うるさいなぁ……」
身体の中に"何か"がいる…
覚束無い足取りのままどこに行くのでも無く歩き出す
「おい、お前」
誰かに話しかけられた、ふと顔を上げる。
「お前はどっちなの?」
「…どっち?なんのこと」
私に話しかけてきた少年はとても綺麗だった
少し強い風になびく白い髪に綺麗な水色の瞳
「はぁ、いいから俺と一緒に来い。」
少年は私の腕を掴む
「…やめて、私は」
「もしかしてお前、呪いのこと知らない?」
少年は私にさらに近づく
「…っ」
少年の前髪が私の鼻先に触れそうだ
「お前"が"呪いなの?それともお前"は"呪われてるの?」
全てを見透かされているかのような瞳
「はは、いいね最高に面白い!」
唐突に笑い出す少年
「はぁー…面白い、お前、名前は?」
掴んだ腕は離さないまま聞いてくる
「…、」
「ね、よし行こっか俺の家」
話が全く読めない。私はどこに連れてかれるというのだろうか。
「待って……貴方は誰?」