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呪われたこの世界で

第3章 呪


5年前


私は学校から家に帰ってきた、いつも通り
そう、いつも通りに玄関のドアを開けた。

「ただいま〜!」

しゃがんで靴を脱ぎながらいつも通りなら玄関まで出てきてくれるお母さんの姿を待った。

「…聞こえなかったのかな?
ただいま〜?」

珍しくお母さんが来ない。

「ママ〜?帰ったよ〜」

もしかしたら今は手が離せないのかもしれないと思って、私はリビングへと向かった。

「…??」

私は思わず眉間に皺を寄せてリビングへと続くドアを見つめた


「…誰か、いるの??」

いや、正確には"誰か"はいる



"何か"がいる


「…ママ?」


私は意を決してドアを開けた
そこに広がっていたのは


変わり果てた母と兄の姿があった




「ママ…?おにーちゃん…??」



キッチンで座り込んでいる母


ソファーでいつもならゲームをしていただろう兄


「ねぇ、起きて…なんで寝てるの??」

母の形を保てていない母だったものに近づき肩を揺する

「やだ、やだよ…まま、まま…おにーちゃん」

私はボロボロと涙を零しながら2人に話しかける


「なんで?なんでママとおにーちゃんが……違う、死んでなんかないまま、とおにーちゃんは私が…」


頭の中にどす黒い感情が溢れかえる

呪ってやる、呪い殺したい…私の家族を奪ったやつを

グルグルと頭の中で何かが巡る


気づいたら私は







母と兄を食らっていた
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