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【風雷暴シリーズ】ゾンビマン夢【サンプル集】

第8章 激裏■夢は終わらない■狼66号と兎77号


考えてみれば肉付きは良くなって来ていたが盛りが出るとは……太ももの肉とか、胸元もなんだかふっくらしているなとは思ってはいたが…。

頬を染め、唇が誘っているようで、呼吸が荒いのも……、そうか子供が大人になったって事は、だ。
最近、そわそわしてたのも、俺に顔を擦り付けてたのも説明が付く。こいつは…。

──"発情期"、つまりは子孫を残すために盛り始めたという事。これはマズイ事になった。

「……お前、発情期だろ?」

焦るように、俺から顔をそらす。

『しっ、知らないっ!こんなの初めてだもん、知らない!』

まあ、初めてなんだろう、そう知るもんじゃないだろう。
自らの異変にわけも分からず、本能のままに過ごしている。そんなが愛おしい。

「……あ?」

……"愛おしい"?俺は今、愛おしいと思ったのか?狼である俺がウサ公を?
俺自身の思考に戸惑っていると、目の前のはそろそろと動きを緩めて俺の胸に顔を埋める。すり、すりと控えめに甘えているのがまた可愛らしい。
なんでまた、俺なんかでこうも……、と髪から漂う花の香りに生唾を飲みこんだ。
やめだ、やめだ。なんで狼の俺が盛った兎見て欲情しなきゃならねえんだ…。

そう考えたい所だが、わけも分からず頬ずりするを見れてば頭の理性が簡単に壊れて、次に熱くなってくるのが股間だ。
半勃ちというよりもこれはもう、臨戦態勢のような気がする…。釣られちまったようだ。

「くっ……はあー…、クソ…お前のせいだからな、」

『…ゾンビマン?』

斧を片手に切り株に一振り、斧を突き刺してを片手に抱き寄せた。薪割りなんてしてる場合じゃねえ、時と場所、今やるべきことはひとつだった。

不安そうな顔をしてやがるな……そりゃあ無理もねえ、このまま抱えて小屋に戻るのが今出来る最善の方法だ。
大股で急いで小屋に戻った。

『なに、なにするの、ねえ…っ!』

寝室にを入れて俺は自分の服を脱ぎ始める。
何って……ナニをする為だろ、とも言っても伝わることが無いんだろう、この危機感0の盛りの始まった兎には。
胴に巻かれたベルトに手を掛けながら、不安そうな顔で俺を見上げるに出来るだけ落ち着いて話しかけた。
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