第77章 新一の正体に、涙3
蘭side
新一「彼は僕が目の前に現れた時点で…それを決行するつもりだったでしょうから…ですよね?奥田…いや、日原誠人さん?」
新一(?)「!」
警部「ま、誠人君なのか?」
服部「そうや…こんだけ整形するには、時間も金もかかる…遺産で大金もろて、半年も姿をくらましてる、誠人さんなら出来るっちゅうわけや!」
和葉「けど、何でなん?何で新聞記者のおばちゃん刺さなアカンねん」
服部「バレてもーたと思ったんやろ?昨夜のあの言葉で…自分が工藤に整形してるってな。
けどわからんな…今朝オレらがこの家に駆け付けた時、"河内さん刺したんは自分や"って何で言わんかったんや?工藤に罪着せたいんやったら、そのほうが早かったん…」
誠人「…試したんだよ…アンタら探偵を…この工藤新一が犯人だという証拠がそろった状況で…一体どんな推理を披露してくれるのか…」
小五郎「まぁ、見事に見抜かれてしまったようだがな…」
誠人「でも、1年前の事件はどうなんだよ?日原村長と奥さんを殺して金品を奪った強盗殺人を、日原村長の無理心中だなんてバカな推理をした…コイツはどうなんだよ!?」
服部「工藤は間違うてへん…あらァ無理心中や…」
誠人「はぁ?犯人の靴と凶器、奥さんの宝石や高価な仁王像までなくなってるのよ?津人販が奪って逃げたに決まっているだろ!」
服部「湖や…日原村長が奥さんを刺した後、凶器や宝石なんかをひっくるめて湖に沈めたんや…」
誠人「な、何言ってるんだ?この家から湖までは30m近くもあるのに、足跡もつけずにどうやってそれを湖に…」
服部「…ハンマー投げや」
誠人「!?」
服部「重りにする仁王像と一緒に凶器や靴や宝石を袋に詰め、取っ手代わりの輪ァをつけた金メダルの紐をその袋に結わえ付けたんや!ハンマー投げの要領でベランダから湖まで投げ飛ばすためにな!!」
誠人「バ、バカな…風の抵抗でそんな物が届くわけが…」
警部「いや、届いていたんだよ。その袋も紐も輪もすでに湖から回収済みだ。もちろん、袋の中の凶器のナイフの刃からは奥さんの血、柄からは日原村長の指紋が検出された。
日原村長が起こした無理心中に間違いないよ、それを息子の大樹くんに悟られたくなくて強盗殺人にみせかけたってトコロだろうよ…」