第76章 新一の正体に、涙2
蘭side
服部「あと山小屋を調べて分かったわ。…壁に貼ってあった工藤の写真はズタズタにされとるし、鏡は何枚も割られて床に散らばっとった…写真をズタズタにするぐらい工藤のこと恨んどる奴が、鏡まで粉々に砕く理由はいっこだけ…嫌で嫌でたまらんかったんや…鏡に映った工藤のこの顔がな…」
小五郎「って、ま、まさか…」
?「そう…彼は整形したんですよ…この名探偵気取りの…バカな高校生の顔にね!」
小五郎「えぇぇ!?」
和葉「そ、そっくりや!」
警部「し、しかし、何で工藤君の顔を!?」
新一「僕をあの小屋に呼び出して閉じ込め、すり替わって何らかの罪を犯そうと思ったんでしょう。
恐らく、この工藤新一を…人間的にも、社会的にも抹殺するために…」
本当の新一の正体は、死羅神様の変装だった
新一「記憶喪失を装ったのは、僕と一緒に来ると思われる、僕の連れに何を聞かれても、答えずに済ませるため。
裸で湖に入ったのも、風邪声にしているのも同じ理由…顔は真似できても、声までも、とはいきませんし…僕がどんな服装で来るか、なんて予想できませんから…。
まぁ、僕もあの小屋から脱出する際に湖に落ちて…少々風邪声になってしまっていますけどね…」
警部「じゃあ今朝、事件直後に警察と救急車を呼んだのは…」
新一「僕です…この人と河内さんがこの家に入っていくのが見えたので、最悪の事態を考えて…」
小五郎「だったら、何でテメェで止めに入らなかったんだ!!そしたら、怜花ちゃんだって…」
新一「出るに出られなかったんですよ…昨夜この家から出てきた彼の服の背中の膨らみで、拳銃を隠していることを確信しましたから……怜花が僕の正体に気付いてくれたのは予想外ですけど…」
服部「お前を信頼してるから気付いたんやろ。
まぁ、しゃーないわな…あの小屋の机に"失敗は死あるのみ"っちゅう字ィが刻んであったんやし…」
新一「ああ…彼が拳銃で特定の誰かの命を狙っていたならまだ止めようはあるけど…計画が失敗したと分かった時点で自ら命を絶つ覚悟だとしたら、それを阻止するのに使える時間はほんの僅か。
だから、城山巡査と現場に向かっていた警官から弾丸を奪い、彼の目の前でバラまく事によって躊躇させ、隙を作ったんだ」
新一(?)「…」