第69章 違和感の追跡1
貴方side
和葉「れ、怜花ちゃん!蘭ちゃん!」
貴「?」
蘭「何?」
和葉「ちょっと来て、こっちの部屋。ビックリするで!」
☆☆
別の部屋
貴「し、新一の写真…」
蘭「これ、新一が初めて雑誌の取材を受けた時の写真だ。懐かしー!」
和葉「それを引き延ばしたんやね」
蘭「わ!新一が解いた事件のファイルもいっぱい」
服部「ここ、誰の部屋やねん?」
萌「誠人の部屋よ…誠人は高校生探偵の工藤新一を崇拝してたから…だから、事件の捜査に工藤君が加わると聞いて、彼はとても喜んでいたわ!きっと彼なら日原村長と奥さんを殺した強盗殺人班を捕まえてくれるってね!
でも、この人が出した結論は…強盗殺人じゃなく村長が起こした無理心中…さすがに彼も肩を落としてたわ。
小さい頃母親を亡くし、9年前の事故で父と妹を同時に失い、自分だけになった彼を養子として迎えてくれたのが日原村長だったから。
典型的なO型家族で、村長も奥さんも大樹坊ちゃんもとてもおおらかで…居心地がよくて、自分は幸せ者だっていつも言ってた…だから…そんな村長が奥さんを手にかけるなんてとても信じられない…でも、受け入れるしかないんだって彼は何度も自分に言い聞かせてたのよ…彼はアンタを名探偵だと信じきっていたから」
河内「しかしその名探偵が提示した事件の真相が間違っていたことが判明した…日原村長が医者にガンを告知され、自暴自棄になったという殺人の動機が…見当違いだったって事がね…」
萌「そうよ!彼は電話や手紙で何度もアンタと連絡を取ろうとしたけど、つかまらないって嘆いてたわ!捜査しなおしてくれって直接会いにも行ったけど留守だったって」
服部(そらそーや…ちっさなって家におらんかったんやから…)
萌「なのに今さら来てしかも記憶喪失?ふざけないでよ!」
新一「…少しこの部屋で1人きりにさせてくれませんか?なにか思い出せそうな感じがして…」
貴「…」
服部「ほ、ほんならしばらく1 人きりにしたるわ…行くで星川」
貴「……私も、一緒に居て良い?」
新一「!」
服部「え、おい!けど、記憶が…」
貴「私はよく新一の推理の手伝いしてたし…それとも、私が居ると迷惑?」
新一「……いえ」
服部「…なら、隣の部屋に居るからゆっくり考えや」
バタン