第66章 事件現場1
貴方side
服部「えらい広いベランダやな…あ、血の靴跡。ここで折り返してんで…ん?なるほど…村長さんはここから転落死させられたっちゅうわけやな…」
小五郎「んで?凶器とか盗られた物はとかは?」
城山「凶器の刃物は家の中には見当たらず、宝石類や骨董品もなくなっていました…残っていたのは部屋についた血の靴跡と…それと同じ靴跡が、裏口からアスファルトの道路までを往復してついていたぐらいで…」
服部「ホンマに靴跡はそれだけやったんやろな?」
城山「ええ…事件の前日まで雨が降り続いていて地面がぬかるんでいたので」
小五郎「って事は村長と奥さんを殺して、凶器と一緒に盗んだ金品を持って車で逃げた強盗殺人に間違いないな!」
服部「ほんで?工藤は誰が犯人やって言うてたんや?」
小五郎「まさか、無実の人を強盗殺人犯だと名指ししちまったとかじゃ…」
城山「い、いやそれが…」
?「心中よ!この人は、この事件を、日原村長が起こした無理心中だと推理したのよ!」
貴「!」
服部「む、無理心中やと!?…ちゅうか、姉ちゃん、誰や?」
?「両親を亡くしてこの家に厄介になってた誠人の同級生よ!ホラ、その写真にも写ってるでしょ、村長の後ろに」
蘭「ああ、この眼鏡の人?」
服部「ちょー待ち!マコトって屋田誠人の事か?」
萌「ええそうよ!遺体の第1発見者として真っ先に疑われた屋田誠人よ!まぁ、誠人は犯行当日、大学を受験するために都心のホテルに泊まってたし…疑いはすぐに晴れたけどね」←氷川萌生
服部「ほんなら聞くけど、その誠人さん、今どこにおんねん?工藤の推理ミス見つけたから、工藤連れてここに来いっちゅう手紙よこしたくせに、行方不明っちゅうんはどういうこっちゃ?」
萌「行方不明なんかじゃないわ…多分、殺されているだろうから…」
服部「何?」
小五郎「どういう事だ?」
萌「村の人は彼が都心でアルバイトしてるとか言ってるけど…彼、この家の養子にしてもらってたから、遺産はかなり…」
小五郎「じゃあ、その相続した金を横取りしようと誰かが…」
萌「ええ…でなきゃ、あの彼が半年も音沙汰がないなんてありえないし…そ、それに殺したのはもしかしたら…森の…」
蘭「森の?」
萌「…」