第65章 幼馴染の違和感
貴方side
新一「…」
貴「…」
……何だろ、この違和感……新一なはずなのに……別人に感じるような
新一「……あの…貴方の名前は…」
貴「…!え、あ、いや…」
小五郎「この子は星川怜花ちゃん、お前の一番大切な幼馴染だ!」
いきなり幼馴染に声を掛けられ戸惑いの中、近くに居た小五郎さんが私の紹介をする
新一「……(一番大切な)…そうなんですか。すみません、思い出せなくて」
貴「いや…大丈夫だよ、無理に思い出さなくて」
一瞬だから気付けなかった、目の前の幼馴染の表情が曇ったのは…
服部「ほんなら飯食ってオレらもはよ寝よや。明日、東京に行かなアカンし!」
蘭「え?」
和葉「2泊3日でのんびりするんとちゃうのん?」
服部「予定変更や。工藤らをはよお医者さんに診せなアカンやろ?」
小五郎「…ったく。この探偵が1年前に解いた事件の推理ミスを肴に、温泉つかって1杯やろうと思ってたのによ…」
和葉「ほんなら工藤君らをその事件現場に連れていかへん?何か思い出すかもしれへんよ」
服部「何アホな事…(待てよ…それも一理あるな…)」
☆☆
旧・日原村長の屋敷
小五郎「うわっ、コイツはひでーな…」
服部「家ん中メチャクチャやんか…」
警察「部屋は坊ちゃんの意を酌んで事件当時のままにしてありますので…」
服部「坊ちゃん?」
城山警察「1年前の事件の夜、親戚の家に遊びに行っていて難を逃れた…大樹坊ちゃんですよ…」
服部「コイツ、村役場で工藤らの事を嘘つき呼ばわりしとったガキやンけ」
和葉「ほんなら、その両隣に写ってはるのは…」
城山「その事件で命を落とされた大樹坊ちゃんのご両親。
当時、この村の村長をやっていた日原滝徳さんと…その奥様である鐘子様です…日原村長はとてもおおらかな方で、村民たちの人望も厚く…かれこれ20年も村長をつとめておられました…ですから、1年前のあの惨劇は…村民たちは皆心を痛めて…」
小五郎「んじゃ、この黒ずんだ靴後も事件の名残なのか?」
城山「ええ…それはその階段の途中で刺殺されていた奥様の血を犯人が靴で踏んで・・・部屋の中を歩き回った跡かと…」
蘭「ひ、ひどい…」
服部「この靴跡、結構続いてるで…あのベランダやな」