第39章 優しさと居場所
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貴「……そっか。なら、今は行く場所ないの?」
?「えぇ。私にはお姉ちゃんしか身内が居なかったから」
貴「…なら、組織が無くなるまでここに住みなよ」
?・博士「!?」
彼女はいきなり驚愕な事を提案しだす
博士「れ、怜花くん…?」
貴「博士、空き部屋あるよね?」
博士「え、ま、まぁ…片付ければ住めるが…」
?「……どういうつもり?私は、組織の」
貴「でも、今は抜けたんでしょう?」
?「けどっ、逃げた私を探してるのは間違えない!その時、一緒に居る貴方達まで殺されるかもしれないのよ!?」
貴「……新一みたいに、見つかなければ大丈夫だよ」
?「…その工藤君を幼児化させたのは、私が作った毒薬なのよ?!私は、人をっ」
貴「……本当に、薬は……貴方の意思で作ったの?」
?「!!……………何で…」
貴「だって、私は貴方が人を殺す人間には見えないから。これが理由じゃ、おかしいかな?」
?「…」
私の心を見透かすような言葉と表情に、何も言えなかった………けど、嬉しさもあった
貴「行く場所がないなら、ここが今日から貴方の居場所にしてほしい」
?「……なんでっ、今日会った私に…優しい…の…」
貴「…貴方には、死んでほしくないから…かな。そういえば、貴方の名前は…?」
志保「………組織のコードネームは"シェリー"。本名は"宮野志保"…」
組織の人間の私を、笑顔で優しく迎え入れてくれた彼女に……私は、涙が止まらなかった
★★
ガチャ
貴「うわっ、博士この部屋汚い…」
博士「しょ、しょうがないじゃろ。ほとんど物置き場じゃし」
貴「明日一緒に片付けるから」
博士「え?!」
貴「ん?」ニコ
博士「そうじゃの!」
阿笠博士という人は、星川怜花さん(さっき聞いた)には頭が上がらないみたいね…
博士「しかし、新一が聞いたら怒るぞ」
貴「ねぇ、貴方の名前どうしよ?組織にバレないようには新一みたいに偽名考えた方が良いよね」スルー
志保「え、えぇ」
博士(怜花くんにシカトされた…)涙
最終的に、私の偽名は"灰原哀"となりここでの生活が始まる…