第10章 chapter10
ー歩side
今日は久しぶりに蛍くんの家に行く
家に着くと蛍くんのお母さんが出てくる
お母さん…お美しい
蛍くんを産んでくださってありがとうございます
心の中で手を合わせながら
「はじめまして、橘歩です」
と挨拶をする
「歩ちゃん、はじめまして。話は蛍…はあんまりしてくれないけど、大体明光から聞いてます。こないだは東京まで応援行ってくれたんだってね、ありがとう」
優しいいいお母さん
「いえいえ、むしろお兄さんに乗せていただいて…」
「そうそう、歩ちゃんが来たら渡そうと思ってたの」
そう言ってお母さんは紙袋を持ってきた。
「明光から歩ちゃんは結構背が高いって聞いてたから、これよかったら蛍のサイズアウトした服なんだけど」
「蛍くんの…」
「あ、いらなかったら捨ててね!あの子あっという間に背が伸びちゃったから、きれいなままサイズアウトして勿体ないなーって思ってて、パーカーとかアウターなら女の子でも着られると思うんだけど」
「嬉しいです、喜んでもらいます!」
「良かったー、サイズ大丈夫かしら?1枚着てみる?」
お母さんに言われて、一番上にあった白のパーカーを被った。
着てみると少し大きめだけど、制服の上に着るならスカートが少し見える丈でいい感じだ。
「ぴったりね、よかった取っておいて。じゃあ私今から買い物に出るからゆっくりしていって」
そう言ってお母さんは慌ただしく出かけていった。