第10章 chapter10
春高が終わって3学期が始まったある日
山口に彼女が出来た
全国大会に出場したこともあってバレー部の男子に対する見る目が少し変わったのだろう
告白されて付き合いだしたという
「ねぇツッキー聞いてよ」
「なに?」
「彼女がめちゃくちゃ束縛するんだよねー」
「あっそ」
「興味持って!歩ちゃんは何も言わないの?私とバレー部どっちが大事なのーとか」
「歩はそんなしょうもないこと言わない」
「でもさー、不安じゃないのかな?俺の彼女なんて同じ学校なのに、すごい言ってくる!愛されてるなーとは思うけどね。歩ちゃんは他校じゃん。正直ツッキーめちゃくちゃモテるし、俺だったら不安だねー」
なんかモヤッとした
好きだから不安になる
その気持ちはよく分かる
青城には及川さんも国見もいる
それ以外にも知らないやつが沢山いる
今この瞬間も歩と同じ教室に…
言わないけど僕は正直不安だ
歩は何も言わない
不安になったりしないのだろうか
今日は久しぶりに僕の家に歩が来る
本当はどう思ってるのか聞いておきたい気もする
もし我慢させてるなら嫌だし