第8章 chapter8
何が可哀想ですね、だ
どいつもこいつもイライラする
何もかもぶち壊してやりたい
早足で歩いていると国見チャンを見つけた
「くーにーみちゃんっ」
後ろから肩を抱くと心の底から嫌な顔をされた
先輩の扱いひどいよね
「何してるの国見チャン」
「別に何も」
「違うよ、歩チャンのこと
先輩がせっかくお膳立てしてあげたのに」
ギロっと睨まれる
「だって俺が焚き付けてあげなきゃ、何もしないうちにメガネ君のモノになってたでしょ!
まぁ、結果メガネ君のモノになったみたいだけどね」
国見チャンの目が大きく見開かれる
そうだよ 絶望しろ 恋なんてまやかしだと
「最近の歩チャン急に色っぽくなったよね
多分メガネ君にあんなことやこんなこと…
「高校生の付き合いなんてすぐ終わると思ってます
大人になってからって考えてるから別にいい」
そう言って無表情を顔に貼り付けて歩いて行った
クソガキどもが
気持ち悪いんだよ
どいつもこいつも真っ直ぐに1人だけ見つめて
『及川先輩、可哀想』
そっか、俺はあいつらが羨ましいのか