第6章 chapter6
返答が思ったものと違ったのか彼女は怪訝な表情
「ボクも君のこと好きだから。でも断られたって乱暴したりはしない。と言いつつ、君に聞かされた話が気に入らなくてガキみたいなこと言って傷つけた」
いよいよ理解できない表情の彼女
「何とか言いなよ」
「待って、話が見えない。誰が誰を好き?何の話してるの?」
「なんのって君とボクの話でしょう」
「ムリムリムリムリムリムリ!」
彼女はそう言って両手で顔を覆った
ふられたのかな?
「だって…私の好きな人って月島くんだから」
彼女は顔を覆ったまま小さな声でそう言った
そうかなと思ったこともあるけど改めて言われると現実味がない
いつどこで?
「聞こえなかったんだけど」
「うそ!絶対聞こえた!」
「とりあえず手どけなよ」
そう言って両手をどけると、あの日と同じ
保健室で見た真っ赤な顔 潤んだ瞳
「もう…またその顔してる
その顔 キスしたくなる」
「…いいよ」
嫉妬も劣情も全て忘れて彼女の頬を包みキスをした
大切に大切に味わうように…
そしてそのまま舌を首筋に這わせる
彼女がピクンと反応する
きつくきつく吸い上げて ボクのものだからって上書きする
「歩もうこんなこと誰にもさせないで」
歩はコクンと頷く
それから僕は彼女をもう一度強く抱きしめた