第1章 例のあの部屋シリーズ① 不死川兄弟の場合
「そう睨むな」
「!?」
今までに聞いたことが無い優しい声に驚いて体を突き放すが、次の瞬間には唇を塞がれていた。
実弥の薄い唇が、の唇と重なる。舌を入れてくる実弥に抵抗しようと、も舌を動かすが、皮肉にもそれが舌を絡めあい、甘美な疼きを呼び起こす。
唇を離すといやらしい一筋の糸がゆっくりと垂れ落ちた。
そのまま布団へ押し倒す。
「もっと遊びてぇんだが…玄弥のが出てくる前に塞がねえと」
そう言うと、いつの間に大きくなったのか、実弥の肉棒がズブリと埋め込まれる。
「ひん……」
「そんな可愛い声で鳴くな」
ゆっくりとナカを味わうように動きだす。野性的な玄弥との後では大きさこそそこまではないが、狙ったかのように、いい所ばかりを突いて擦りあげる実弥の動きがもたらす快楽は非の打ち所がなかった。
「あんっ…んっ、んっ、あっ…
実弥のリズムにの喘ぎ声が重なる。
先程までの悔しさや悲しみが嘘の様に、それを上回る快楽が押し寄せる。
「なぁ?俺たち相性抜群だろォ」
実戦でも息をあげない実弥が、息苦しそうに囁く。耳元にかかる、彼の研ぎ澄まされた声が更に快楽を呼び起こす。
「なぁ…あんな水柱のとこより、俺のとこに来い。俺は不器用だから、1回しか言わねぇ」
に全身で覆い被さると、更に深く早く打ちつけ始める。
「誰が…行くものか……はぅっ」
その答えを聞くと満足そうに微笑み、再び唇を奪った。全身を密着させたまま、奥へ奥へと突き進む。大柄な実弥の体を全身で感じながら、快楽の波がまた瀬戸際まで迫っていた。
「イケよ」
「あっ、嫌なのに、なん、で、ん、んんっ」
何かにしがみつきたいだけなのか、気持ちの変化なのかはわからなかったが、は自ら実弥にしがみつく。
爪を立てしがみつき、足を絡めて密着する。
その姿が堪らなく愛おしくて、実弥も応える。
「イクっ…」
の小さな声と、大きな震えに合わせ、実弥もその全てを吐き出した。生暖かい感触が下腹部に広がる。
落ちついたのを見計らい、実弥はゆっくりとソレを引き抜いた。流石に2人分の精液は溜めきれず、抜くのと同時にドロリと溢れてきた。