第1章 例のあの部屋シリーズ① 不死川兄弟の場合
「だよなァ?じゃあ問題ねェ」
(ちょ!そういう意味じゃ……!)
別に玄弥が嫌いじゃないという意味であって、だからと了承した訳でもないのに。
(助けて、師匠…!)
届かない事はわかっていても、つい心に義勇を思い浮かべる。そうすると少し勇気が湧く気がするのだ。
だが勇気は湧いても実力が埋まる訳ではない。
再び見えない様なスピードでいなされると、四つん這いの姿勢で首根っこを押さえつけられた。
「玄弥、服を脱げ」
「で、でも兄貴、俺は」
「いいからやれ」
それでも動くのを躊躇っている様子の玄弥にまた舌打ちをすると、を抑えている手に力を込め、耳元で囁いた。
「お前が脱がせろ。ベルトを外せ」
あまりの展開に判断が追いつかない。体が動かない。きっと玄弥も同じなのだろう。
「いいか、2度は言わねェ…やれ」
(従わないと殺される)
実際は隊士同士の私闘はご法度で、その様な愚行を柱が起こすはずもない。それは頭ではわかっているのに、心が、本能が、あまりの圧倒的存在感に打ちのめされ、そう思ってしまうのだ。
「は、はい」
「まずはベルトを外してズボンを下ろせェ」
「ひぃっ!」
玄弥の方が小さく悲鳴をあげる。首根っこを抑えられたまま膝立ちすると、は玄弥のベルトを外し始めた。
カチャカチャという無機質な音が、何も無い部屋に響きわたり、ズボンが脱がされる。
「ひぃぃ…」
いたたまれず、玄弥は両手で顔を隠したが、実弥は気にもしない。
「玄弥…テメェは猿股かよ。男は黙って褌だろ」
「い、いや、こっちの方が動きやすくて…」
(律儀に答えてる場合じゃないでしょ!!)
思わず突っ込んでしまう。勿論、心の中でだが。
「何してる?早くそれも脱がせろよォ」
「ひっ…、は、はい」
恐る恐る猿股をずり下げると、玄弥の局部が露わになった。
生え揃ったばかりの様な薄い茂みと、その体躯に恥じない大きさの局部が眼前に迫り、思わず目をそらす。
それに気付いたのか、実弥はぐっと手に力を当て、ぐりっとの顔をそこに押し付けた。ひゃっと玄弥小さな悲鳴が聞こえる。
「ちょ、ま、待って兄貴、お…」
頬に玄弥のそれがひんやりと張り付いているのがわかる。
「ほら、咥えろ」
「む、」
「無理じゃねぇだろォ?」