第2章 例のあの部屋シリーズ② 冨岡義勇の場合
「んあ…あっあっ……だめ、イっちゃう……!!」
堪えきれず、義勇の体にしがみつく。脚を絡め、両腕で彼を抱きしめた。義勇はどこにそんな力があるのか、左腕一本で己とを支え、動いていた。
「もう、だめ………!あっ…!あ……、ん…?」
あと2秒あれば確実に果てていただろう。そのタイミングで義勇は動くのをやめた。
「と、冨岡……」
強烈な快楽を突然与えられていたため、彼の顔を見る余裕がなかったは、ようやっと彼の目を見つめた。
頬は紅潮しているが、顔は至極冷静だった。
相変わらずといえば相変わらずだ。何も言わない。
だが、義勇はそのままずるりと彼女のナカから己を引き抜いた。
「ああっ…」
突然の動きと喪失感で甘い声が漏れる。肩が小さく震えるほどに、は昂ぶっていた。
義勇が左腕でを器用に組み倒すと、うつぶせの格好に寝かせる。
そのまま彼女の背後に回り、後ろから、ゆっくりと挿入を果たした。
「あっ、いっ、気持ち、いいっ」
じわじわ押し進められていくのが、ダイレクトにわかる。
義勇はそのまま両膝と腕一本で体を支えると、自分の体を、彼女の背中へとぴったりくっつけた。
「ようやく、また名前で呼んでくれた」
後ろから囁かれる。
一番深いところから、抜けてしまうギリギリまでを、ゆっくりと抜き差ししながら彼は続けた。
「んあ…あっ、あっ、気持ち、いい……!」
「下の名前で呼んでくれ」
「それは……あっ、……そんな失礼を……できな…」
すると、義勇はぴたりと動きを止めた。先端のみを入れた上体で、後ろからに囁く。
「果てたくはないか?」
「それは…ずるい……!」
一気に最奥を突き上げる。ひゃっと甲高い声をあげるが、また彼は動きを止めた。
「名前を呼んでくれ」
「ぎ、義勇……」
それを聞くと、彼は再び最奥を突き上げた。
「あっ、あっ、だめ、あたる!あたってるのぉ!」
四つん這いで踏ん張りが聞かず、膝が震え出す。足の甲は反り返り、なんとか敷き布団を掴むことしか体のふんばりを逃がす方法がなかった。
「当たっているのではない、当てているんだ」
「いやっ、もう、だめ、ぎ、ぎゆっ……」
義勇が腰を打ち付ける速度を上げる。より早く、より深く。