第2章 例のあの部屋シリーズ② 冨岡義勇の場合
の左腕を掴み、後ろから引っ張り上体を少し持ち上げる。布団を掴めなくなり、たまらず彼女は膝で体重を支え体を反らし、必死に義勇の半分までしかない上腕を握りしめた。
「いや、義勇、お願い、イっちゃう、もうだめ、あっ」
「そうだな、果てる時は一緒がいい」
義勇は人間として、生物として本能的に、最も深いところで己が精を吐き出そうと動き、もまたそれを受け止めようとするが如く、ナカを締め付けてくる。
「イクっ……!」
ちょうど義勇の先端が子宮の入り口にぶつかったその瞬間、先にが絶頂を迎えた。ビクンビクンと体を震わせ、中の粘膜はぴくぴくと小さく痙攣し、限界まで高まった彼の魔羅を今までとは違う締め付け方をしてくる。
その刺激に耐えられず、義勇もまた果てようとしていた。
「俺も……出すぞ………っ……!」
体をひときわ大きく振るわせると、子宮を押し上げるぐらい突き上げた直後に真っ白な欲望を注ぎ込む。びゅる、びゅるっ…と、下腹部の中に生暖かい液体が満たされていった。
荒くなった呼吸を素早く整え、義勇がソレをずるりと抜き出すと、少し遅れてこぽぉっ、とどろりとした白濁がこぼれ出てきた。
はそのまま布団に倒れ込む。気力を振り絞って、仰向けに転がった。すると義勇も横になった。
「……腕があれば、もう少し上手くやれるのだろうか」
自分の右手を掲げてみる。
「……さあね。でも私は好きよ、その姿でも」
ふざける様に言うと、いつも無表情な義勇も僅かに顔をほころばせた。
「だからもう水柱ではない。また名前で呼んで欲しい。俺はを初めて見た時から、忘れた事はなかった」
突然の告白に、流石のも言葉に詰まってしまい、口をぽかんと開いた。
「少し前に宇髄のところにいると聞いたが……今の俺は見せられたものではないから」
無くした右腕を動かしてみせる。
「腕を無くした事は嘆いてはいない。ただ、に会うには自信がなかった」
大切なものをいっぱい失った。守れなかったものもいっぱいあった。腕を無くし、何もできない今、初恋の人に会ったところで、どうしていいかわからなかったのだ。
「……馬鹿ね。そういうの、まず会った最初に言ってよ」
義勇の胸板に体を預ける。