第4章 友達
広い通りをめいいっぱい使って移動する豪奢な車体。全体に煌びやかな装飾が施され、動くたびにキラキラと輝く。
馬車のようで、似て非なるモノ。
車体を引いているのは馬ではなく。
───ニンゲン。
「なに…あれ…」
衣服もろくに身につけていない大男たちが、お腹に巻かれた太いベルトを持って、ガラガラとその車を引っ張っていた。
どう考えても異様なその光景なのに誰も止める者はいない。皆恐怖に怯えた顔でじっとその様子を見守っている。
「しっかり歩くのだえ!下等種族ども!!」
天井の開いた車の中から「ナニカ」がキンキン声で叫んでいる。
丸い金魚鉢のようなものを頭にかぶり、手に持ったムチで男たちを打つ「ナニカ」。
バチィィイン!!
乾いた音が響く。
それでも、車は止まらない。
見ている光景が信じられなかった。
なんだ、これは。
一体なにが起きているの。