第24章 暴走
「………いかなきゃ」
ああ、ごめん。ロビン。
大丈夫って、言ったのに。
だけど、これだけはどうしてもだめなの。
どうしても、落ち着いていられないの。
ローの命が危ないのに。
安全なところで黙って見てるなんて、あたしにはできない。
あの人が危険な状況にいるなら、せめてあたしも同じところに立っていたい。あの人の近くで。最後まで、一緒に戦いたい。
瞬時に風に溶け込む。
体力なんて、気にしている場合じゃなかった。
──絶対に、死なせないんだから。
その強い意志だけを抱えて、ドレスローザの街並みを駆け抜けた。そして同時に、あたしは気づいた。
──ああそうか。
あたしが簡単に城から逃げ出せたのは。
ゲームの標的に、あたしを入れなかったのは。
「…どこにいたって、きっとこうなったからなんだわ」
あの人はあたしを探さなかったんじゃない。
────"探す必要がなかった"のだ。