• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第4章 友達



ジョナサンを預けるためにポアロ教会に向かったこと。

ポアロ教会で起こった惨劇とその結末。

海軍に助けられたこと。

そしてまだジョナサンの預け先が決まっていないこと。



ほとんどおつるさんに話した内容と同じだったから、あの時よりスラスラと言えたと思う。


一通り聞き終えてから、マザーは目を閉じた。
表情からは何を考えているのかは分からない。


だけど、どこか辛そうで、何かに耐えているようで。


あたしはそんなマザーの様子を見ながら、両手をぎゅっと握りしめて返答を待った。


沈黙が続く。


しばらくして、やっぱりダメなのかと思い、何か言おうととした。その時、マザーはようやく口を開いた。


「そうなのですね。ポアロ教会でそんなことが。…シスターと子供たちのことは、非常に、残念でなりません」


一言一言押し出すようにして言葉を紡ぐ。


苦痛に耐えるような、大切な人を──まるで我が子を亡くしたような。そんな表情。


幾重もの苦悶のシワを刻み、マザーは深いため息をついた。そして、もう一度口を開く。


「事情はよく分かりました。その赤子ですが、我が教会で預かることにしましょう。」

「いいの、ですか?」

「ええ。はじめローリエから話があった時、うちで預かる予定だったのです。ですが、ポアロ教会でも受け入れできるとなって、ローリエはそちらにすると決めたようでした」


あの子は自然が大好きなので、とマザーは少し笑う。


そう、なんだ。
シスターはやっぱりここにも連絡をしてたのね。


安堵の息をついた。


やっとだ。
いろいろあったけど。本当にいろいろあったけど。


ようやくジョナサンの新しい家族が決まった。


腕の中のジョナサンの頬を軽く触る。
何も知らずにふわふわと笑っている。


「よかったね…」


彼はここで暮らしていく。
新しい家族と一緒に。


「ジョナサンを、どうぞ、よろしくお願いします」


深く頭を下げる。



あたしの大切な弟を。
どうか大切に育ててあげてください。



/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp