• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第24章 暴走


「───手を放せ」



冷めた声が聞こえた。

普段の彼からは考えられないほど、感情のない声。遠く離れたここからでも、背筋が寒くなるような殺気が伝わってくる。


アウラの首を絞める腕を、横から掴んだその人は、真っ直ぐにドフラミンゴを睨み、ギリギリと力を込める。


ただならぬ緊迫感。
肌に痛いほどの覇気の衝突。


息を詰めて見守っていると、ドフラミンゴは不敵な笑みを浮かべた。


「…なんだ麦わら、生きてたのか」


二人の視線が交錯した。次の瞬間。ルフィの鋭い蹴りがドフラミンゴを襲い、同時にドフラミンゴも攻撃を仕掛ける。爆発が起きたような衝撃音が響き渡った。


土煙が巻き起こり、一瞬視界が遮られる。


次に見えたのは、飛び退いたルフィが地面に降りたったところだった。その腕にぐったりとした少女を抱えて。


いつもの彼より心なしか丁寧な所作で彼女を地面に寝かせると、ドフラミンゴに向き直った。

いえ、向き直ろうとして、ふと動きを止めた。そして、ほんの僅か、見逃してしまうくらいの一瞬、こちらに視線を送る。


それだけで、彼が私たちに気づいたことを知った。


───ええ。分かったわよ、ルフィ。


彼は何も言わずに、再びドフラミンゴに向かう。


ルフィとは長い付き合いだから、彼が心底怒っていることがよく分かった。そして、彼の類まれなる戦闘本能が極限まで研ぎ澄まされていることも。


殺気を隠そうともせずドフラミンゴと対峙する姿は、いくら仲間であっても近寄りがたい雰囲気があった。一切気が抜けない命のやり取りが始まろうとしていた。刹那でも意識を逸らした方が死ぬ、そういう戦いが。


彼の集中を妨げてはいけない。だから。


───ロビン、二人を頼む。


そう、彼の声が聞こえた気がした。


/ 730ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp