第24章 暴走
驚く私に構わず、ローは思慮深い眼差しで呟く。
「おれが一つ持っているんだが、使う予定ができたんでな。…持ってなきゃ別にいいが」
「…分かったわ。そっちは私がなんとかしてみるわ」
使う予定、って何に使うつもりなのか分からないけど。きっと彼には考えがあるんでしょう。
一つ頷いてから、少し迷ったあと口を開く。
本当は、もう戦わないでと言いたかったけれど。
せめてもと、彼に声をかける。
「決して無理はしないで」
「…心配は受け取っておく」
ローはきちんと視線を合わせて、一言だけ答えた。嘘でも、うんと言わないところが彼らしい。
私はひとつ息を吐いて、立ち上がる。
ルフィとドフラミンゴの激しい戦闘の衝撃がここまで伝わってくる。彼らは今や視界に入らないところにいると言うのに。
視界が広がると、いつのまにか空を覆っていた重苦しい雲がなくなっていることに気づく。
この国を縛りつけていた檻は、もうどこにもない。
まもなく、すべてが終わる気がした。
その先に待つものは、待ち望んだ本当の解放なのか。
それとも、逃れられない新たな絶望の始まりなのか。
───今はまだ、誰にも分からないけれど。
第24章 『暴走』 <END>