第24章 暴走
「バレた?」
ぺろ、とお茶目に舌を覗かせるナミに、ローはますます不機嫌そうな視線を返す。だけどすぐに、興味を失ったように世経に目を落とした。
「あら、見張ってなくて大丈夫?」
「勝手にしろ」
「じゃ、一緒にうちの連中のところ行ってこよーっと」
「あ、ナミ。ちょっとまっ…」
軽快に歩いていくナミを追いかけてローの横を通り過ぎようとした時。
「わ、」
「着てろ」
突然視界が暗くなって驚く。そして手に持ったものを見て、あたしはローに向き直った。彼はあたしに、着ていたジャケットを放って寄越したのだ。
「……やっぱり、おかしい?」
「…」
返事はない。
完全に彼の興味は世経の中に戻ってしまったようだ。
無視!?
似合ってないなら、そう言えばいいのに。
ローの服を持ったまま固まっているあたしの隣で、あははは!と声をあげて笑うナミ。
「アウラ、いきましょ」
ナミは満足そうだったけど、あたしは暗にローに似合わないと言われたような気がして、随分とショックを受けていた。
「ナミ、あたしやっぱり、着替えてくる!」
階段を駆け上がりながら、あたしはやっぱり余計は挑戦はしない方がいいとつくづく思ったの。
そんなこともあって、彼女たちの私服からあたしでも着られそうなものを探すと自然と、ショーパンにTシャツというシンプルなスタイルに落ち着くのだった。