第24章 暴走
「ナミすわぁ〜〜〜ん!アウラちゅわぁ〜〜…ん!?!?」
サニー号に乗ってからというもの、サンジはほとんど毎日のように、食べたいものはないか、聞きにきてくれる。それはとても嬉しいことなのだけれど…。
いつもの如く女子部屋の前に待ち構えていたサンジは、あたしの名前を呼ぶか呼ばないかのうちに大量の鼻血を吹きこぼして真後ろに倒れ込んだ。
な、なんなんだ一体。
「あら、サンジくんおはよう」
ナミが平然とその横を通り過ぎていく。ぴくぴくと痙攣しているサンジを見て一瞬怯えたけれど、あたしも恐る恐るそれに続く。
結構な血の量だったけど大丈夫なのかな。
でも、なんだか幸せそうな顔をしてるから、まあいいか。
サンジの横を通り抜け、ナミを追いかけて階段を降りていくと、ローがマストにもたれて世経を読んでいた。
ローはドフラミンゴを脅してから朝も夕も世経をチェックしている。やっぱりドフラミンゴが次にどう出てくるのか気になるのかな。
あたしが知らなかっただけで、もしかすると、これが彼の日課なのかもしれないけど。
ローは階段を降りる音で気付いたのか、世経から顔をあげてこちらを見た。
そして、あたしと目が合った瞬間、なぜか鼻の横にしわを寄せて明らかに嫌そうな顔をした。
「どういうつもりだ」
舌打ちをして、手前のナミを睨む。
し、舌打ち!?
そりゃローから、"似合ってる"とか"可愛い"なんて気の利いたセリフが返ってくることはハナから期待してなかった。
してなかったけれど、それにしても、この反応はひどい。
感想も言わず、"どういうつもりだ"って…!
それはこっちのセリフよ。
一体どういうつもりなんだこの男は。