第23章 ゲーム(Ⅱ)
ロビンがそう言うなら、彼は大丈夫なんだろう。それなら、他にあたしにできることを探さないと。
そう思うと同時に、そこまで仲間を信じられる、そして信じてもらえる麦わらの一味の絆が、やっぱり心底羨ましいと思った。
「それしても、ウソップがここにいるってよく分かったわね。交易港の場所も同じだって」
ロビンはふと、感心したようにあたしを見た。
どうして分かったの?ってその目が言っている。
それに反応したのはサボだった。
「あぁ…ローがそう言ってたんだが」
「ローが?あら、おかしいわね。どうして彼がそれを知っていたのかしら。彼と別れたのはグリーンビットだから、私やウソップがここにいることは知らないはずだけど」
彼女は不思議そうだったけど、ちらとあたしを見た途端、分かったとばかりにその端正な顔に微笑を浮かべた。
「わざと同じ場所を示したのかしらね。彼ならそのくらいのことやりそうだわ」
「あ?………あーーーなるほど。守らせたのか」
「ボディガード、ご苦労様ね」
「いやだなァ。頭のキレる奴は」
サボは子供のようにべぇ、と舌を出す。
「なにが?」
「…お前は気にしなくていいよ」
素っ気ない彼の返事。なぜかそれ以上問う気にはならなかった。サボが少しげんなりしているように見えたからだろうか。
サボは小さくため息をつく。
「ま、結果的にビンゴだったわけだから怒る理由は無いか。ロビンにも会えたことだし」
そう言って、納得するように一つ二つ頷き、彼はロビンをみた。
「じゃ、おれの役割はここまでらしいんで、あとはロビンに任せるよ」
「ええ、ありがとう。2人とも気をつけて」
ロビンはにっこり笑って二人に頷く。
「ロビンさん、アウラ、またね!」
「もう行っちゃうの?」
「うん、まだ仕事は残ってるからね。その前にトリカゴとサボくんにかけられた賞金をどうにかしないと」
"サボくんにかけられた賞金"のところで、コアラはじろりとサボを睨む。
そうだ。この理不尽なゲームを終わらせないことには、あたしたちこの島から出られないんだった。
のんびりしている暇はない。
少し惜しい気はするけれど、彼らが新世界にいるのであれば、またどこかで会えるだろう。
「じゃあね!」