第23章 ゲーム(Ⅱ)
「…それで、みんなは知り合ったのね」
「ええ。まさか、こんなところで再会できるなんて思わなかったわ」
ロビンから一通り話を聞いて、あたしはその奇妙な巡り合わせに驚きを隠せずにいた。
まさか、"あの"2年間、ロビンが革命軍と行動を共にしていたなんて。
2年前のシャボンディ諸島で、麦わらの一味はバーソロミュー・くまによって世界各地にばらばらに飛ばされた。その飛ばされた先で、ロビンはたまたま革命軍に出会ったのだと言う。
その当時、彼女はサボがルフィの義兄弟だということを知らなかったのだから、ほんとに運命って不思議よね。
あたしは、世経の一面を賑わす"麦わら"の文字を幾度となく見てきた。だけどそれは、彼らが姿を消す前までの話。
彼らが行方をくらませてからというもの、憶測や噂は飛び交いはすれど、どこで何をしていたのか、その詳細を知る者はいなかった。
ロビンの話を聞くと、やはりその期間は彼らにとってとても長く、重く、意味のあるものだったことがわかる。他のクルーたちに聞いてみたら、どんな話が聞けるだろう。
「それじゃあ、革命軍はこの交易港を探していたのね」
あたしが密かに好奇心を募らせているうちに、ロビンは革命軍がこの島にいる理由を聞いたらしい。納得したように頷き、今度はあたしに視線を向けた。
「そして、アウラはウソップを探してここにきたのよね」
「うん。あたしは城に行っちゃダメって言われたから。せめて他のところで戦力になれないかと思って」
「そう…。それなら残念だけど、彼はここにはいないの。今は王の台地に向かってるはずよ」
「そうなんだ…」
ついさっきまで一緒にいたんだけど、と残念そうに付け加えるロビン。
どうやら一足遅かったらしい。
あたしはがっかりして、息を吐いた。
王の台地か…。
あたしは行けないところだ。
「じゃ、彼を探すのは諦めた方がよさそうね」
「それが賢明ね。でも安心して。ウソップなら何があっても大丈夫だから」
ロビンが自信を持って言うから、あたしも気持ちを切り替えるしかなかった。