第22章 ゲーム(Ⅰ)
しばらく頭を悩ませてみたけど、あたしにそんなの分かるはずもない。まだ言い合いをしているルフィとローを横目に、あたしはこれからの自分の行動を考えることにする。
そっか、でも。
大金を賭けられていないということはつまり、あたしは逃げ回らなくていいんだ。誰もあたしの存在なんて気にしないだろう。
それってつまり、あたしはみんなを守る方に回れるってことよね。
ローとルフィ、そして多分、リク王やキュロスも、きっと王の台地に向かうつもりだと思う。王の台地とは、王宮がある場所だ。目的はもちろん…ドフラミンゴやその配下を倒すため。
そこにはとてつもない危険が待ち受けてるに違いない。
あたしも一緒に行ったら、何か力になれるだろうか。
「てめェの助けなんか誰がいるか!!すっこんでろ!」
「なんでだ!トラ男はおれの友達になっただろ!」
「友達じゃねェ!!」
………いや。
うん。
やっぱだめだ。この人たちには、あたしの助けなんていらないに決まってる。ついて行ったら足手纏いになるのは目に見えている。
と言うか、そんなこと言い出そうもんなら鬼の形相で叱られそうだ。特にローには。
ってことは、あたしが向かうべきは…。
「ロー、あたし、決めた」
「…あ?」
「これからどうするか」
「城には来るなよ」
ぴしゃりと言い放たれて、やっぱりローはこのまま城に向かうつもりなんだと知る。
「分かってる。そうじゃなくて…あたし、ウソップを探しにいくよ。ドフラミンゴは城にいるって公言してたし、そっちに近づかなければ問題はないでしょう?」
あたしもこの状況で自らドフラミンゴに近寄るほど馬鹿ではない。だけど、鳥カゴの外で傍観するのだけは絶対に嫌だった。
そう思って強い眼差しを向けると、ローも悪い判断ではないと思ったのか、少し黙った。
それから、軽く頷いて了承したのだった。