• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第21章 約束



「不安になったらおれに言え。いつでも思い出させてやる」

「……ローは、変わらないね」



何でもないように言うローの言葉に、泣きたいような気持ちになった。


この人がいるなら、あたしは恐れる必要は無いのかも知れない。


自分に真っ直ぐで、強い心を持って、理不尽な運命にも決して折れない人。立ち止まった時に方向を示してくれる人。




──そんな貴方が、あたしは出会った時からずっと、眩しくてたまらない。






「ありがとう。目が覚めた」



もう大丈夫。迷わないよ。
ローの顔を見て、自然とそう思う。


彼はそれを聞いて少し口角を上げた。
それから、ふと思い出したように口を開く。




「──まあ、本当のところは分からねェが。少なくともおれは、お前がコラさんと同じ血筋なのは間違いねェと思うよ」

「どうして?」


もう不安はなかったけど、あえてそう言うのがちょっと不思議に思って聞いてみる。すると、彼はあたしをちらと見下ろして、揶揄うように笑う。


「じゃねェと、その鈍臭さは説明がつかねェだろ」

「コラさんもあたしと同じようにドジだったってこと?」

「壊滅的にな。お前より酷かったかもな」

「あたしよりひどいって…」


それはもう自分で言うのもなんだけど可哀想に思える。


よりにもよって、そんなところが似てるなんて。喜べばいいのか悲しめばいいのか。


非常に複雑な気持ちになったけど、ローがあまりにも可笑しそうに笑うから、つられて笑ってしまった。



/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp