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マリージョアの風【ONE PIECE】

第20章 遺書


≪○年☆月☆日≫


…やっとです。これを書き始めてはや1ヶ月。
随分時間がかかってしまいましたが、ようやく、ここまで書くことが出来ました。

読み返すとやはり拙い文章ではありますが、ここまで書けただけでもよしとしましょう…。





さて、一月と少し前に遡りますが、若い女の使用人ばかりが集められ、それは突然伝えられました。


『間もなくここマリージョアに、ある子どもがやって来る。3歳ほどの幼い子どもであるから、世話係が必要である』


まとめるとそのような内容でした。


聞いた直後、私の脳裏に何故か、随分昔に聞いた実験がよぎりました。ホーミング聖ご一家に深く関わると聞いた、あの古い記憶が。


私は自らその役に立候補しました。


このマリージョアにやってくる子供とは一体何者なのか。奴隷でないのであれば、どういう経緯でここにくるのか。単純に気になったのであります。




それからしばらくして、幼い子どもがやってきました。…いえ、幼い子ども、は少し語弊があるかも知れません。


仰々しく複数人のCP-0(サイファーポール"イージス"ゼロ)に連れられ城に入ってきたその方は、ただの子どもと表現するにはあまりにも似つかわしくないお姿をしておりました。

私ではなかなか当てはまる言葉が出てこないほどです。とてもこの世のものとは思えませんでした。


肩のあたりまで伸びた髪は艶々と光を閉じ込めたようで、ただ銀色と呼ぶには惜しく、俯きがちなその横顔も神が造ったのかと思うほどに愛らしい。


抱きかかえたCP-0(彼の名前は知りません)のスーツは洗濯したてのように真っ白でしたが、それよりもさらに透明感のある幼女でした。目を離したら儚く消えてしまいそうなほどに。




男は何も言わず彼女を私に渡しました。


ふわりと漂う甘い香り。
微かに震えた長いまつ毛。

ゆっくりと私を見上げる彼女。


彼から受け取り、彼女を腕の中に抱いた時、じわりと心が熱くなったのを覚えています。本当に人間なのかと疑うほどだったのですが、柔らかい肌と温度を直に感じ、確かに生きていることを実感したのです。





…ああ、もう少し書けると思ったのですが。
間もなく朝が来てしまいます。


今日はこの辺りで。



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