第19章 ドンキホーテ・ロシナンテ
『──なぁ、ロー。一つ頼まれごとを引き受けてくれるか』
『もし、もしお前の病気が治って自由になったら…おれの妹に会いに行ってやってくれねェか?』
『あぁ、いるんだよ。だいぶと歳は離れているが。…何も言わずに置いてきちまったからなぁ。寂しがってると思うんだ』
『ははっ。そんな嫌そうな顔するな。暇ができたらでいい。"ミカヅキ島"ってとこにいる。名前は…いや、変わってるかもしれねェな。そうだな…足首の飾りが目印だ』
『一緒に…?そうか…考えたこともなかったが…』
『…いや、なんでもない。──あぁ、そうだな。一緒に行こう、ロー』