第17章 岐路(Ⅱ)
夜────。
サウザンドサニー号内。
サンジがやたら入りたがってた一室──女子部屋で、あたしはロビン、ナミ、モモの助くんと一緒にベッドに寝転がっていた。
普段2人で寝ているところに4人が並ぶとなると、モモの助くんがいくら小さいと言え、なかなかぎゅうぎゅう詰めだった。
疲れが溜まっているはずなのに、なぜか目が冴えてしまってなかなか寝付けない。
あたしはロビンの隣で小さく縮こまりながら、なんとなく、その端正な横顔を眺めていた。
彫刻のように静かに眠る彼女。
…大人っぽいなぁ。
眠る姿まで綺麗だし。
モネに散々子供扱いされたあたしとは大違いだ。
ローの好み…はモネのハッタリだったとしても、大人っぽい女性はどこか憧れてしまう。自分にない自覚があるから余計そう思うのかもしれない。
あたしもいつかそんな風になれるんだろうか。ローの隣に並んでも、違和感ないような女性に。
…はあ。
まだまだ先は長い気がする……。
諦めにも似た気持ちでぼんやり見つめていると、
「私の顔になにかついてる?」
すっかり眠り込んでいると思っていたロビンがふっと目を開けた。こちらに視線を向けて少し笑う。
「…!おきてたの…っ?」
「そんなに熱っぽい視線で見つめられたら寝れないわ」
「……ごめん」
あたしは恥ずかしくなって小声でモソモソと謝った。
「そんなにじっと見つめてた気はなかったんだけど」
「あら、嫌とは言ってないわよ。……でも、そうね。人は選んだ方がいいかも知れないわね。からかいたくなっちゃう人もいると思うから」
クスクス笑う彼女。
何を言いたいのかすぐにピンときた。
ロビンがあまりに可笑しそうに笑うもんだから、あたしはちょっとだけ不貞腐れて言い返す。
「もしかして、ゾロのことを言ってる?あれはあたしもやり過ぎたと思って反省してるの。…あんな風に詰められるとは思わなかった」
「…危ないお嬢さんね」