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マリージョアの風【ONE PIECE】

第17章 岐路(Ⅱ)


「ちょっとゾロやめなさい。同盟組んだところなのに不安の芽になるようなことしないで!トラ男くんも今は抑えて!!」


間髪入れずナミが叫ぶ。


ど、どうして、ローは能力発動してんの。
というか、その殺気は、一体なに。


ローは苛立ったようにしばらくゾロを睨んでいたけど、ゾロが軽く手をあげて戦意は無いと示したのを見て、


「………チッ」


不満を滲ませながらも、やがて手中の渦をおさめた。そして、早く行けとでも言うようにあたしに向かってくい、と顎をしゃくる。


…今の一瞬で何が起きたの。


「ゾロ、あんまりやり過ぎると嫌われるわよ。からかいたくなる気持ちは分からなくもないけど」


楽しそうに笑っているロビンを見て、あたしもちょっと考えてみる。


…さっきのって。


ゾロの言うさっきのってもしやもしや、あたしの処世術の話だろうか。ぱっと思い当たるのってそれしか無いし。


その続きっていうのは。
だから、つまり。


オネーサマ方に教えてもらった"男をオトすワザ"のその続きを言っているわけで。となると…。


あたしはようやく彼の言葉の意味と、その続き…少なくとも今想像したことに近いことを指してると気づき、みるみる顔が熱くなっていくのを感じた。


彼がどこまでを想定しているのかは知らないけど、ガールズシップに乗ってたんだからそれなりに知ってはいる。"そういうこと"をする部屋だってあったくらいなんだから。


「……っ!お、おお教えてもらわなくていい!!」


あたしは口をパクパクさせながら、やっとのことでそれだけ叫び、その場から逃げ出すように、ナミとロビンの後を追い駆けた。


後ろから聞こえる愉快そうな笑い声。
それは非常に癪だっだけど、あたしは必死で聞こえないふりをするのが関の山で。反撃する余裕は微塵もなかったのだった…。



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