第17章 岐路(Ⅱ)
「おーし!メシだーー!!」
「オメーはさっきからずっと食ってるだろうがっ」
ナミの言葉を皮切りに、ワイワイ言いながらもみんなそれぞれ散っていく。
みんなも疲れが溜まってるに違いない。
1日で本当にいろんなことが起こったんだから。
「ナミさん私もご一緒してもいいですかー?ヨホホホ」
「ぼくもいいですかーー!!?」
「ダメに決まってんでしょーがっ!!!」
…いや。さっきのは撤回だ。
彼らにはまだまだ余裕がありそうね。
ナミがブルックとサンジを一撃で張り倒したのを見て、麦わら一味の底無しの体力にしみじみ感心していた時、
「オイ、白いの」
後ろから突然声がかかる。
顔は見なくても分かる。
こんな呼び方するの、あの男しかいないんだもの。
「だーかーらー。あたしは白いのじゃ無いって何度も…」
眉を釣り上げて振り返ると、案の定、そこにいたのは麦わら一味の剣豪で。今まさに立ち上がり、なんだか意味深な…それもどこか、人の悪い笑みを浮かべている。
「──さっきの」
一瞬、彼の目が妖しく光った気がした。
「続き、知りてェか?」
「………へ?」
思わずきょとんと目を瞬く。あたしがその意味を考えるよりも先に、視界の端でローが刀に手をかけるのが見えた。
「…手ェ出す前におれが殺してやるよ」
不敵な笑みとともに、一瞬で張り詰める空気。
ブワッと全身の肌が粟立つ。
あたしは思わず息を呑んだ。
…な、に?