第15章 存在理由
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コイツ、こんなに強かったか…?
確かに2年前にシャボンディー諸島に集まった面々は、今後、新世界で海軍にとっての脅威になるだろうという予想はあった。
それは俺だけじゃねぇ、海軍が、いや、全世界が予感していたことだった。
だがそれにしても、だ。
俺は目の前に横たわるヴェルゴを見た。
奴の体は真っ二つに切断されている。
血が出てねぇのはこれをやった奴の能力のせいだ。
たった今振り抜いた大太刀を鞘に収める男──トラファルガー・ローの。
「白猟屋、てめェの仕事も済んじまった。礼はいらねェが」
「…チッ」
わざとらしく微笑う奴を見て一瞬殺意が湧いたが、舌打ちをするだけにとどめた。
代わりに、違和感を感じていたことを聞く。
「何を遊んでやがった」
「…コイツに聞いておきたいことがあってな」
奴はそう言って、足元に横たわるヴェルゴに一瞥をくれる。
ヴェルゴをぶった斬った時に感じた違和感。それはどうやら気のせいでは無かったらしい。
やはり、コイツはずっと本気を出していなかった。
──ヴェルゴから何かを聞き出すために。