第15章 存在理由
彼…?
彼って誰だろう?
モネは誰かに脅されている…の?
「クソ…!雪が面倒だ」
モネの呟きにちょっと気が逸れたけど、ゾロの舌打ちが聞こえてあたしは我に返る。
雪が邪魔?
ってことは…。
そうだ。あたし、ちょっとは役に立てるかも。
ふと思いついたことがあって、あたしは地面に手を当ててみた。そして、ありったけの力を込める。
「アウラ、何してんの?」
「ちょっとね。まあ見てて」
イメージは…突風。いや、違う。
もっと強くて激しいもの。
「…サイクロン」
小さくつぶやいてから、イメージしたものをそのまま形にする。
大きく吹き荒れる。
雪なんか蹴散らしてしまうような、そんな竜巻を。