第15章 存在理由
…あーあ。
あたしはこんなところまで何しに来たんだろう。
彼に会えればそれで良かったんだけど。
でもそれにしてもこんなのひどすぎる。
ローが大人な女性が好みなのは、まあ、良しとしよう。それは本人の問題だから仕方ない。
だけど。
モネはダメ、よ!!
あたしがとやかく言うことじゃないのかもしれないけどさ!!
いや、この際、ローに懸想している身からひと言言わせてもらおう。
モネが言っていることが本当なんだとしたら、はっきり言って、ロー、あなた、趣味悪いよ。
だってその人、さっきからずっとあたしを馬鹿にして笑ってるし、ぜーーったい性格良くないんだから。
それに忘れちゃいけないのが、モネは子供たちをこんなところに閉じ込めてる人の仲間なんだよ!?
いくら綺麗だからってそんな人が…?
それは、あなた、見る目が無さすぎでしょう!!
考えれば考えるほど腹が立ってくる。
ほんと、あの男は何を考えてるんだか。
こんな時まであたしを動揺させて。混乱させて。
いい加減にしてよ、もう。
「〜〜〜あーもう!考え直せバカ!!」
あたしは急に心の奥底から沸き立った熱い気持ちに突き動かされ。
意識が完全に闇に落ちる前に、最後の力を振り絞って風になって。
そして。