第14章 ゆりかご
あたしはローの目線を避けるように、麦わらの彼に向かって声をかける。
「ルフィ!そういうことだから、あたしちょっと行ってくるね」
「おう、シーザーはおれがぶっ飛ばしといてやるよ。そうだ。ロビン、お前もゆきんこと一緒に行ってくれるか?ナミたちだけじゃしんどいと思うからよ」
「ええ、分かったわ。任せて」
「ありがとう!ロビンが一緒だと心強い!」
ロビンがいたら、よっぽどのことがない限り大丈夫だろう。だって彼女強いんだもん。
そう思って同時に、あたしもローに言わなくちゃいけないことを思い出した。
そうよ、この人だって人のことばっかり心配してる場合じゃないのよ。
だから、ちょっと頬を膨らませてから、険しい顔をしている彼にビッと指を突きつけてやった。
「それから…ローも気をつけてね!!他の人に心臓渡しちゃダメだよ!!」
それだけ言って、あたしは身軽に柵を飛び越えてふわりと宙に躍り出る。
完全に言い逃げだけど、仕方ない。
生意気言うなって怒られちゃいそうなんだもん。
華麗にスタンと地面に着地すると、あたしは後ろを振り返らずにナミの元に駆けた。